Ryota Hさんの広島ネタ
今日は朝からランチまでみっちりとハチドリ舎とジン大のコラボイベントの、平和記念資料館リニューアル🏢の全貌というイベントに参加してきました。 三年ちょっとの広島生活で資料館は5回目くらいかな。本館がリニューアルしてからは2回目の訪問。 ...
まずは平和記念資料館の外観を見てつかあさい。
建物は細長い「本館」と、入場口がある「東館」に分かれとるんじゃが、知っとった?
今回、2017年の東館再オープンと入れ替わりで改修に入っていた本館がお目見え。足掛け15年にわたる大リニューアルが完了したというわけじゃ。
みなさん、こんにちは。広島平和記念資料館 学芸員 落葉と申します
落葉さんは2006年からこの事業に参加。本来は学芸員さんに館内ガイドしてもらうことはできんのんじゃが、わしら上では特別に、落葉さんの案内付で、生まれ変わった館内を巡っていくで~。レッツアンドゴー。
今回新たに導入されたんが、東館3階まで一気に上がるエスカレーター。3階で導入展示を見た後、通路を通って本館に移動するんじゃ。
そしてこれが最初の展示、被爆前の爆心地周辺の風景。
次の部屋に入ると、被爆後の風景に変わってしまう。
壁一面に大きく、細密に印刷された写真じゃけ、当時の様子が細かいところまで見える。上空から原子爆弾が落ちる様子を映像で表現した立体模型もあるんよ。
導入展示を見た後は、渡り廊下を通って本館へ。展示テーマは「被爆の実相」。通路を歩いていくと、正面からこっちを見据える女の子と目が合うんじゃが…。
最初の写真を何にするかは、かなり議論がありました。その検討中に、この女の子がどなたで、詳しい被爆状況がどうだったのかが判明しまして
14万人亡くなった、という数字ではなく、一人一人が浮かび上がってくるような展示にしようとしました。この写真からも、その姿が浮かび上がってきます
彼女がどんな方で、その後どうなったんかは、本館の展示がすべて終わった後、東館へと向かう通路で改めて知ることができる。
最初に目に入るんが、この「ピカっ」と光った閃光を表現した絵、石谷龍司さん作『さく烈の瞬間』じゃ。あまりにも鮮やかな色彩に驚かされるが、横に添えられた作者のコメントで、ほんまに原爆を体験した人が描いたんじゃと分かる。
さく裂の瞬間の写真はないので…
後に続く展示は時系列順になっているため、その最初として絵を入れました
その後に続くのが、壁目いっぱいの高さまで印刷されたきのこ雲の写真、
そして、熱線を受けた墓石や、溶けてしまった瓦、ゆがんだ建物の一部。実物がむき出しで展示されとる。
最初は全てケースに入れて展示しようとしていました。でも、そうすると距離感が生まれてしまいます
当時の混沌とした状況を伝えるには、むき出しがよいだろうと考えました
その近くに置かれたのは23名分の衣類。これは広島市内で建物疎開(空襲で火が燃え広がらんように、建物を取り壊す作業のこと)への動員中に被爆した学生さんたちのものじゃ。
1点1点ふくらみや動きを付けて並べられた衣服を一度に見ると、被害の大きさが胸に迫ってくるわ。
あえて説明文はなしで展示しました
文字を追うのではなく、この衣服たちと向き合ってほしくて
続くコーナーでは、45点の現物資料が展示され、それぞれの持ち主の遺影、被爆時の状況、ご家族の手記などが合せて紹介されとる。
私がいたら、久夫ちゃんに嫁が来んようになる
俺は絶対に死なない。俺が亡くなったら、老いゆく母父を誰が養うか
展示品の横に添えられた印象的な言葉と、その詳細が書かれた説明文を見とると、原爆で亡くなった方々それぞれにあった日常が、突然奪われたんじゃということを感じる。
この方々が自分と掛け離れた存在ではないんだと知ってほしくて、このような形にしました
被爆資料の持ち主への、当時の状況に関する聞き取りはずっと続けられています
館内に現在約5000点が収蔵されている「原爆の絵」。これは、被爆30年にあたる1974年~1975年にNHK広島放送局、2002年に広島平和記念資料館・NHK広島放送局・中国新聞社の呼びかけで収集が行われたものじゃ。
このコーナーは、テーマを設けて定期的に絵を入れ替えています。今は「親子」です
↑脚を負傷した朝鮮人女性/荒木明作
原爆の被害を受けたのは日本人だけじゃない。外国人の方々にも、広島で被爆された方がたくさんおってだったことを、当時の写真や資料で振り返るコーナーじゃ。
資料館には海外からもたくさんの方がいらっしゃいます。あまり知られていない外国人被爆者の実態を伝えたくて新設しました
後遺症や被爆者への理不尽な差別など、原爆にはさまざまな「続き」がある。被爆後も生き続けた方々のその後を追った展示がこちら。報道写真家福島菊次郎さんが撮影した『ピカドン―ある原爆被災者の記録』などを基にした「N家の崩壊」や、「原爆の子の像」のモデルとして知られる、佐々木禎子さんの生涯を知ることもできる。
↑禎子さんが折った鶴/佐々木繁夫・雅弘寄贈
病気がいつ出るかという不安や、親が子どものために被爆者であることを隠さねばならない現実など、原爆の後もずっと苦しみを抱えて生き続けて来た方々に焦点を当てました
で、最後。
最後の展示がどのような内容なのかは、あえてここで載せんようにしようと思う。ちなみに、リニューアル前の展示は「被爆後に咲いたカンナの花」で結ばれておったらしい。
希望とか祈りだけには昇華できない、ふと思い起こしてしまう「被爆者の思い」を、そのまま持ち帰ってほしいと考え、このような内容にしました
どんな写真が待っているのかは、ぜひ、実際に足を運んで確かめてつかあさい。
本館の展示がすべておわったら、東館へ移動じゃ。こちらには原爆投下までの経緯やその後の広島の復興について、主にデータ的な側面から学べる場が作られとる。
その途中、資料館の北側に面した通路に差し掛かると、眩しい光が一面に迫ってくる。
大きな窓の向こうには、平和記念公園の穏やかな姿。本当に多くの命がこの場所で74年前に実際に奪われ、そして今日の日々があることを、時間旅行をしたかのように体感することができる場所じゃ。
できるだけ展示物もなくして、心を落ち着かせる場としました
公園を見ながら椅子に座って、ここまで見た展示物と向き合う時間にしていただけたら…
案内の最後はちょっとお得なオマケ情報。資料館の入館料は200円なんじゃが、常設展以外に無料で見られる場所もあるので、こちらも覗いてみてつかあさい。
まず、ミュージアムショップ。
前は展示の途中にあって利用しづらかったので、誰でも立ち寄れる場所に移動しました
そして1階の企画展。この日は原爆の絵が展示されとった。
さらに、地下の展示室に行くと新着資料展をやっとる。
多い年には1,000件を超えることもある新着資料。毎年たくさん寄贈いただいているんです
無料スペースも含めて最初から最後までじっくり閲覧すると半日はかかると思うわ。取材した7月下旬もようけ人がおったで! ゆっくり見るのにおすすめの時間は「平日のアサイチ」または夕方かの~。
本館1時間・東館1時間として、2時間くらいかけて見ていただけると嬉しいです。ぜひ、時間を見つけて足を運んでみてください
資料館って25~26年くらい改装されてこなかったと聞いていますが、老朽化とかもリニューアルの理由なんでしょうか
最後に改装したのは本館1991年、東館1994年です。情報が古くなってしまっているのと、寄贈された資料が増えたこと
そして被爆者の方が高齢化するなか、当時の状況をどのように伝えたら効果的なのか…などを考えて計画されました
最新の展示技術で、みたいなこと?
いえ、展示は資料と文字でオーソドックスに
見る人にとって遠い出来事にならないよう、自分たちと同じように生活していた人が亡くなったんだ、と感じてほしいのが一番です
確かに、以前よりもそれぞれの人生を感じる展示になりましたね
はい。携ってきたみんな共通の思いです
リニューアルを検討する時、被爆再現人形を撤去するかどうかが話題になって
はい
結局撤去されたわけですが…
あの人形は人が逃げ惑う姿を再現したもので、特定の誰かではないんです
今回はもっと深く、実物資料を通じて当時のことを想像してほしいと思ったので撤去することにしました
「怖いから」撤去したわけではないんですね
はい。むしろ、あんなもんじゃないという被爆者の方もおられました
ちなみにあの人形って…捨てちゃいました?
いえいえ!館内に保管してあります
個人的に、思い入れのある展示物ってありますか?
一つを挙げるのは難しいんですが…
私が担当した『N家の崩壊』には、23歳の時、資料館に就職して最初に見た企画展の写真が含まれています
被爆の後遺症にさいなまれたNさん一家を15年にわたり追いかけた、報道写真家福島菊次郎さんの作品ですね
それまで、原爆の威力については学んできたけど、一人一人が経験してきたことを実感として知ることがなかったので。衝撃を受けました
本館リニューアルのテーマそのものですね
そうですね。今回の展示の根底にある感覚だと思います
本館の展示を見た最後、通路から見える現在の広島がとても印象的です。落葉さんにとって、2019年の広島ってどんな街ですか?
今はもう、本当にきれいになっていますよね
でも、ここが74年前焼け野原だったことを、わずかに残ったモニュメントや建物で感じることもできる
はい
そういう歴史を通って復興してきた街なんだ、と
力強さや、いろんな人の想いが詰まった街なんだと思っています
ありがとうございました
Ryota Hさんの広島ネタ
今日は朝からランチまでみっちりとハチドリ舎とジン大のコラボイベントの、平和記念資料館リニューアル🏢の全貌というイベントに参加してきました。 三年ちょっとの広島生活で資料館は5回目くらいかな。本館がリニューアルしてからは2回目の訪問。 ...
平和について
4月25日に本館リニューアルした平和記念資料館へ行ってきました。 GWだからおすすめだとか、行ったから偉いだとかそういうはなしではないのですが、、、 来館する人はやはり9割以上が外国の方です。 日本人だと何かしらの団体(主に修学旅行生とか...
平和記念資料館に行って来ました
そろそろ、8月6日に「日刊わしら」で何をするか考えねばと思い、リニューアルした広島平和記念資料館に行って来ました。 東館3階の導入展示「焦土と化した都市」では、1945年8月6日直前、そして直後の爆心地周辺が壁一面のパノラマ写真で表現され...
みんなもぜひ、行った感想「日刊わしら」に投稿してや~(^ら^)